Nature ハイライト 免疫:RNAiで宿主をかわす 2008年12月11日 Nature 456, 7223 腸に寄生する原生動物であるランブル鞭毛虫は、抗原変異によって宿主の免疫系から逃れている。抗原変異とは、多数ある変異表面タンパク質(VSP)の中から一度に1つだけを発現させ、発現されるVSPを自発的に切り替える仕組みだが、その機序はまだわかっていない。Pruccaたちは今回、VSPの発現はランブル鞭毛虫のRNA干渉系によって制御されることを明らかにした。RNA干渉系の2つの因子であるDicerおよびRNA依存性RNAポリメラーゼのサイレンシングによって、複数のVSPの発現が誘導されて抗体に対する感受性が高まったことから、今回の成果は、ランブル鞭毛虫が原因で起こるジアルジア症のワクチン研究に役立つ可能性がある。 2008年12月11日号の Nature ハイライト 細胞:1個の細胞から前立腺を形成 宇宙:水蒸気のあるホットジュピター 神経:頭に血がのぼる 遺伝:複製の再開 化学:3級アルコールを簡単に合成 地球:大陸の分裂 生態:不確実な回廊 免疫:RNAiで宿主をかわす 神経:脳を配線する 目次へ戻る