Nature ハイライト 遺伝:複製の再開 2008年12月11日 Nature 456, 7223 複製装置と転写装置が正面衝突すると、DNA合成がその場で停止するが、DNA鎖の伸長にかかわるレプリソームが、DNAの鋳型に沿って同じ方向に進行中のRNAポリメラーゼと遭遇するとどのようなことが起こるのだろうか。R PomerantzとM O’Donnellは、ポリメラーゼの働きと校正機能を併せもつ多酵素複合体であるレプリソームには、障害に直面すると作業を停止するだけの柔軟性があることを明らかにしている。RNAポリメラーゼはDNAから外されるが、レプリソームと形成中のmRNAはDNAに結合したままとなる。DNA複製に働く複合体の成分であるベータ・クランプは、mRNAの3′末端を見つけると、結合したままのレプリソームを移動させて、mRNAをプライマーとして使ってDNA合成を再開する。 2008年12月11日号の Nature ハイライト 細胞:1個の細胞から前立腺を形成 宇宙:水蒸気のあるホットジュピター 神経:頭に血がのぼる 遺伝:複製の再開 化学:3級アルコールを簡単に合成 地球:大陸の分裂 生態:不確実な回廊 免疫:RNAiで宿主をかわす 神経:脳を配線する 目次へ戻る