Nature ハイライト 化学:新しいキラル触媒 2008年12月18日 Nature 456, 7224 アルケンメタセシス(オレフィンメタセシスまたはトランスアルキリデン化とも呼ばれる)は、医薬品、ポリマー、燃料などの合成に広く使われている有機反応である。その重要性は、2005年、Y Chauvin、R Grubbs、R Schrockがメタセシスに関する研究でノーベル賞を共同受賞したときに広く認められるようになった。今週号では、非常に優れた効率とエナンチオ選択性でアルケンメタセシスを開始できる、新種のモリブデン系キラル触媒が報告されている。この新触媒は、金属立体中心をもち、単座配位子のみを有する。新触媒の有効性は、過去に報告されたどの触媒でも促進できないメタセシス反応を経由する、Aspidosperma型アルカロイドquebrachamineのエナンチオ選択的合成で実証された。 2008年12月18日号の Nature ハイライト 宇宙:どこもかしこもメーザー、メーザー 化学:新しいキラル触媒 地球:海底地形の起伏を調べる 進化:LUCAの好みは変わりやすい 生態:温暖化が侵入植物種を生み出す 進化:元気なY染色体 細胞:神経冠細胞の「接近遭遇」 医学:RNAiは心疾患の疾患標的 生理:概日リズムでスリムになる 目次へ戻る