Nature ハイライト 進化:元気なY染色体 2008年12月18日 Nature 456, 7224 染色体の構成は、進化の過程で概して安定である。ショウジョウバエ属では、およそ6,300万年前に分岐した12種をみても、95%以上の遺伝子が同じ染色体腕領域にとどまっている。しかし今回、塩基配列を解読済みのショウジョウバエのY染色体を調べた研究で、キイロショウジョウバエのY染色体連鎖遺伝子のうち、ほかの11種でも同じくY連鎖遺伝子となっているのは、わずか4分の1だけであることがわかった。哺乳類のY染色体は何度も退化と遺伝子喪失を経てきたが、これとは対照的に、ショウジョウバエのY染色体では、遺伝子獲得が遺伝子喪失の10倍以上とはるかに上回っている。 2008年12月18日号の Nature ハイライト 宇宙:どこもかしこもメーザー、メーザー 化学:新しいキラル触媒 地球:海底地形の起伏を調べる 進化:LUCAの好みは変わりやすい 生態:温暖化が侵入植物種を生み出す 進化:元気なY染色体 細胞:神経冠細胞の「接近遭遇」 医学:RNAiは心疾患の疾患標的 生理:概日リズムでスリムになる 目次へ戻る