Nature ハイライト

細胞:神経冠細胞の「接近遭遇」

Nature 456, 7224

細胞運動の接触阻止は、50年以上前にin vitroの繊維芽細胞で最初に見つかった現象であり、接触阻止の異常は悪性の細胞浸潤の一因となることが示唆されている。これは2つの細胞が接触した場合にみられるもので、双方の細胞が突起を引っ込めて移動方向を変える。しかし、この現象の分子基盤、またこれがin vivoでも起こるかどうかについては、いまだに論議が続いている。今回、胚の非常に運動性の高い細胞である神経冠細胞の微速度顕微鏡撮影により、in vivoでもin vitroでも細胞運動の接触阻止が起こることと、この細胞の方向性のある移動が、これによって説明できることが実証された。しかし、神経冠細胞がほかの種類の細胞と接触した場合は細胞運動の接触阻止が起こらず、組織への侵入が可能となる。

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