Nature ハイライト 細胞:神経冠細胞の「接近遭遇」 2008年12月18日 Nature 456, 7224 細胞運動の接触阻止は、50年以上前にin vitroの繊維芽細胞で最初に見つかった現象であり、接触阻止の異常は悪性の細胞浸潤の一因となることが示唆されている。これは2つの細胞が接触した場合にみられるもので、双方の細胞が突起を引っ込めて移動方向を変える。しかし、この現象の分子基盤、またこれがin vivoでも起こるかどうかについては、いまだに論議が続いている。今回、胚の非常に運動性の高い細胞である神経冠細胞の微速度顕微鏡撮影により、in vivoでもin vitroでも細胞運動の接触阻止が起こることと、この細胞の方向性のある移動が、これによって説明できることが実証された。しかし、神経冠細胞がほかの種類の細胞と接触した場合は細胞運動の接触阻止が起こらず、組織への侵入が可能となる。 2008年12月18日号の Nature ハイライト 宇宙:どこもかしこもメーザー、メーザー 化学:新しいキラル触媒 地球:海底地形の起伏を調べる 進化:LUCAの好みは変わりやすい 生態:温暖化が侵入植物種を生み出す 進化:元気なY染色体 細胞:神経冠細胞の「接近遭遇」 医学:RNAiは心疾患の疾患標的 生理:概日リズムでスリムになる 目次へ戻る