Nature ハイライト 宇宙:しし座リングの星 2009年2月19日 Nature 457, 7232 1980年代に行われた電波観測で、中性水素(HI)の大質量リングが、しし座の2つの銀河M105とNGC3384の周囲を回っているのが見つかった。このリングはしし座リングと名付けられたが、その構造は依然として謎で、しし座I銀河群が形成されたときに取り残された原始雲だろうと考えられている。しし座リングは、現在まで電波領域のスペクトル(HI輝線)でしか確認されていないので、星は存在しないと考えられていた。今回、地球を周回するGALEX(銀河進化探査衛星)宇宙望遠鏡による観測で、このリングの一部からやってくる紫外光が見つかり、下部構造では大質量星の形成が最近起きていることが示された。もしこのような構造が初期宇宙に広く存在するものだったのなら、暗くて金属が乏しくハローをもたない矮小銀河の大規模集団が、これらの構造から生み出された可能性があるが、そうしたものはまだ見つかっていない。 2009年2月19日号の Nature ハイライト 進化:リボソームの複雑な経歴 発生:チェックとバランス 宇宙:しし座リングの星 計測:進行波NMR 材料:コロイドの花を咲かせる 環境:熱帯林がとらえる炭素量 発生:巻貝の巻き方 疫学:疫学にも役立つグーグル 細胞:低分子RNAとCUT 目次へ戻る