Nature ハイライト 発生:巻貝の巻き方 2009年2月19日 Nature 457, 7232 巻貝の貝殻の対掌性(巻きの方向)は、生物学において長年の疑問となっている。今回、C GrandeとN Patelが、巻貝の対掌性は、脊椎動物の左右非対称性にかかわることが知られているnodal遺伝子によって制御されることを報告している。ほとんどの動物は左右対称の体制をもつが、その枠組みの中では、さまざまな程度の左右非対称性がみられる。脊椎動物やそれ以外の新口動物では、非対称性を生み出す分子経路にはシグナル伝達分子Nodalが用いられている。GrandeとPatelは、2種の巻貝でNodalおよびその標的の1つであるPitxと進化的に相同な因子を見つけ出し、nodalの機能を失わせると貝殻の巻き方が乱れることを見いだした。この結果は、nodalシグナル伝達経路がすべての左右相称動物において根源的なものであり、これまで考えられてきたような新口動物に特有の特徴ではないことを示している。 2009年2月19日号の Nature ハイライト 進化:リボソームの複雑な経歴 発生:チェックとバランス 宇宙:しし座リングの星 計測:進行波NMR 材料:コロイドの花を咲かせる 環境:熱帯林がとらえる炭素量 発生:巻貝の巻き方 疫学:疫学にも役立つグーグル 細胞:低分子RNAとCUT 目次へ戻る