Nature ハイライト

免疫:キラー細胞の記憶

Nature 457, 7229

従来、自然免疫系の一部であると見なされてきたナチュラルキラー(NK)細胞は、適応免疫系の細胞傷害性Tリンパ球のように免疫記憶をもつことが、最近の研究から示唆されている。今回、生理的条件下での実験により、このことが確認された。マウスのサイトメガロウイルスへの感染過程で、ウイルス特異的なNK細胞応答がみられたのである。初回感染の後、NK細胞は脾臓と肝臓で1,000倍に増殖し、この細胞は数カ月間、免疫系にとどまった。また、この細胞をほかのマウスに移入してやると、そのマウスにウイルス抵抗性が生じた。これは、ワクチン設計や、適応免疫とそれよりも進化的に古い自然免疫の間の関係についての研究にかかわる知見である。

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