Nature ハイライト 免疫:キラー細胞の記憶 2009年1月29日 Nature 457, 7229 従来、自然免疫系の一部であると見なされてきたナチュラルキラー(NK)細胞は、適応免疫系の細胞傷害性Tリンパ球のように免疫記憶をもつことが、最近の研究から示唆されている。今回、生理的条件下での実験により、このことが確認された。マウスのサイトメガロウイルスへの感染過程で、ウイルス特異的なNK細胞応答がみられたのである。初回感染の後、NK細胞は脾臓と肝臓で1,000倍に増殖し、この細胞は数カ月間、免疫系にとどまった。また、この細胞をほかのマウスに移入してやると、そのマウスにウイルス抵抗性が生じた。これは、ワクチン設計や、適応免疫とそれよりも進化的に古い自然免疫の間の関係についての研究にかかわる知見である。 2009年1月29日号の Nature ハイライト 遺伝:モロコシのゲノムを収穫 免疫:キラー細胞の記憶 物性:解明が進む超伝導 有機化学:細胞毒素が合成された 海洋:見逃されていた大増殖 免疫:免疫系をだますダニのアレルゲン 医学:大腸菌ワクチンの標的 医学:メラノーマの変異遺伝子 細胞:実生活でのDNA修復 目次へ戻る