室内塵ダニ(ヒョウヒダニ属)はアレルギーのよくある原因であり、喘息発作を誘発することが知られている。室内塵ダニの主要なアレルゲンであるDer p 2はダニの糞塊中に高濃度で存在し、Toll様受容体シグナル伝達複合体の構成分子の1つと構造的相同性がある。今回、この相同性が、強力なアレルギー反応を引き起こす機序にかかわっていることが示された。Der p 2は、Toll様受容体複合体の成分であるタンパク質の機能を模倣して、「自己アジュバント」として働き、実際に免疫系をだまして細菌感染に直面していると思わせることがわかった。