Nature ハイライト 医学:大腸菌ワクチンの標的 2009年1月29日 Nature 457, 7229 毒素原性大腸菌(enterotoxigenic Escherichia coli)は、発展途上国での下痢の最も一般的な原因であり、旅行者の下痢の主要原因でもある。この菌をはじめとする多くの細菌性病原体の病原性にとって、宿主細胞への接着は不可欠だが、今回、分泌タンパク質EtpAに依存する新たな接着機構が大腸菌で同定された。EtpAは、細菌の鞭毛の先端でフラジェリン分子の保存された領域と相互作用し、そこで細菌と宿主細胞の間に接着性の分子架橋を形成する。この知見は、EtpA、また保存されたフラジェリン・リガンドが、大腸菌などの運動性をもつ病原体に対するワクチンの有効な抗原標的となることを示す証拠の1つといえる。 2009年1月29日号の Nature ハイライト 遺伝:モロコシのゲノムを収穫 免疫:キラー細胞の記憶 物性:解明が進む超伝導 有機化学:細胞毒素が合成された 海洋:見逃されていた大増殖 免疫:免疫系をだますダニのアレルゲン 医学:大腸菌ワクチンの標的 医学:メラノーマの変異遺伝子 細胞:実生活でのDNA修復 目次へ戻る