Nature ハイライト 有機化学:細胞毒素が合成された 2009年1月29日 Nature 457, 7229 魚介類中毒の原因となる毒素はさまざまだが、その1つにクロロスルホリピドがある。クロロスルホリピド分子は、構造的にも立体化学的にも複雑であり、作用機序がわかっていないため、特に関心を集めている。この天然物は入手が容易でなく、詳細な生化学的研究が困難であった。今回、クロロスルホリピドである細胞毒素の全合成が初めて報告され、十分な薬理学的解析と健康リスクの正しい評価への道が開かれた。この合成により、クロロスルホリピドに関して提案されていた構造が確認され、その分子内のポリ塩化炭化水素に予想外の反応性があることが、手始めに発見された。 2009年1月29日号の Nature ハイライト 遺伝:モロコシのゲノムを収穫 免疫:キラー細胞の記憶 物性:解明が進む超伝導 有機化学:細胞毒素が合成された 海洋:見逃されていた大増殖 免疫:免疫系をだますダニのアレルゲン 医学:大腸菌ワクチンの標的 医学:メラノーマの変異遺伝子 細胞:実生活でのDNA修復 目次へ戻る