Nature ハイライト 遺伝:モロコシのゲノムを収穫 2009年1月29日 Nature 457, 7229 モロコシ(Sorghum bicolor)のゲノム塩基配列が解読された。モロコシは食糧、動物の飼料、繊維や燃料として広く栽培されている穀物で、高温と乾燥に強いので、多数の人口を抱える西アフリカのサヘル地域(サハラ砂漠南縁部)での主要産物となっている。このゲノムをトウモロコシやイネのゲノムと比較することにより、イネ科植物の進化や、高温下で特に効率よく炭素同化を行えるC4型光合成の進化の手がかりが得られる。また、モロコシの耐乾燥性を助けていると思われるタンパク質をコードする遺伝子とmiRNAも見つかるかもしれない。モロコシはほかの作物に比べ収率改善が遅れており、今回ゲノム塩基配列が得られたことは、多収化のための研究を促す大きな助けとなるだろう。 2009年1月29日号の Nature ハイライト 遺伝:モロコシのゲノムを収穫 免疫:キラー細胞の記憶 物性:解明が進む超伝導 有機化学:細胞毒素が合成された 海洋:見逃されていた大増殖 免疫:免疫系をだますダニのアレルゲン 医学:大腸菌ワクチンの標的 医学:メラノーマの変異遺伝子 細胞:実生活でのDNA修復 目次へ戻る