Nature ハイライト

Cover Story:花の誘引力:長らく探されてきた花粉管誘引物質が同定された

Nature 458, 7236

表紙は、新たに発見された化学誘引物質LURE1の跡をたどって引き寄せられ、N字形に伸長した花粉管である。種子植物では、受精を成功させるために花粉管を正しく誘導することが極めて重要である。花粉管を引き寄せるという考え方は、培地上で花粉管が切り取った雌ずい(めしべ)の組織に向けて伸長することが発見された19世紀後半に提案されていた。2001年に、胚珠の隣にある助細胞が可溶性の因子を分泌し、これが花粉管を胚嚢へと導くことが明らかにされた。そして今回ついに、この物質が同定された。突き出たユニークな胚嚢をもつトレニア(Torenia fournieri、英語ではwishbone flower)から助細胞が単離され、分泌される誘導因子はデフェンシン様タンパク質に属するシステインの多いポリペプチドと同定され、LUREと名付けられた(Letter p.357)。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度