Nature ハイライト 生化学:タンパク質を加工する 2009年3月19日 Nature 458, 7236 原理上は、細胞で主要な化学反応を行っているタンパク質は、ほかの多数の有用な化学反応を行うように加工処理できるはずだ。だが実際には、天然のタンパク質は、自然選択により複雑性や脆弱性が蓄積される傾向にあり、それらを新たな目的に合わせて加工するのは非常に難しい。Koderたちは、グルタミン酸とリシンとロイシンの繰り返しからなる配列でヘリックスを作るところから始めて、de novoタンパク質設計により、ヒトのニューログロビンに似た、単純な非天然酸素輸送タンパク質を作出した。この4本のへリックスからなるバンドル構造は、ヘム補因子を結合する重要な位置にヒスチジン残基を含み、酸素を結合したり、解離したりできる。酸素の結合速度、解離速度および解離定数は、天然に存在するグロビンの値に近い。 2009年3月19日号の Nature ハイライト 神経:単一シナプスでの長期増強を画像化 生化学:タンパク質を加工する 化学:映画で見るキラル分子 化学:金属の入ったロタキサン 地球:氷床が溶けたとき 進化:羽毛をもつ初期の恐竜 遺伝:ヒトと酵母のかかわり 免疫:昆虫の抗ウイルスRNAi 遺伝:ヌクレオソームを配置する 目次へ戻る