Nature ハイライト 化学:金属の入ったロタキサン 2009年3月19日 Nature 458, 7236 ロタキサン分子は、各部分が絡み合っており、リング状のサブユニットが分子ダンベルの「軸」を取り囲んでいる。リングは、軸の周りで回転したり、軸に沿ってずれたりできる。したがって、ロタキサンは分子機械の構成部品候補として検討されている。これまで、ほとんどのロタキサンは有機分子であった。磁性や電気伝導性などの、分子機械に最も要求される物理的特性がみられるのは、たいてい無機化合物なので、これは問題となるかもしれない。だが今回、C-F Leeたちは、無機ヘテロ金属リングが有機ダンベルの軸を取り囲むというハイブリッド・ロタキサンについて報告している。このようなハイブリッドは、分子工学に際して純粋な有機ロタキサンよりも、有用な物理的特性の幅がはるかに広くなるだろうと期待されている。 2009年3月19日号の Nature ハイライト 神経:単一シナプスでの長期増強を画像化 生化学:タンパク質を加工する 化学:映画で見るキラル分子 化学:金属の入ったロタキサン 地球:氷床が溶けたとき 進化:羽毛をもつ初期の恐竜 遺伝:ヒトと酵母のかかわり 免疫:昆虫の抗ウイルスRNAi 遺伝:ヌクレオソームを配置する 目次へ戻る