Nature ハイライト 古環境:長い長い話 2009年2月5日 Nature 457, 7230 これまで知られる中で世界最大のヘビが発見された。ただしこのヘビは、約6,000万年前の南アメリカの熱帯地域に生息していたもので、地球の気候の変遷を解明するうえで重要な意味をもっている。コロンビア北東部で発見されたこの化石ヘビは、ボアコンストリクターの近縁種で、体長は13メートルあり(ちなみに、現生ヘビ類の最長報告例は約10メートル)、体重は1トンを超えたと推定されている。この大きさのヘビが生きて行くには、30℃程度の年間平均気温が必要だと考えられ、これは現在の熱帯の平均気温よりも高い。このことは、気候システムに熱帯の気温を調節する「サーモスタット」が備わっているという考え方に、疑いを差しはさむものである。 2009年2月5日号の Nature ハイライト 工学:印刷されたトランジスター 材料:伸縮可能なグラフェン膜 生理:構造を解いて謎を解明 宇宙:初期宇宙に生じた銀河のバルジ形成 気候:大西洋を巡る暖かい流れと冷たい流れ 古環境:長い長い話 進化:最古の後生動物 生理:絶食で長生きする 目次へ戻る