Nature ハイライト 遺伝:エンハンサーの地図を作る 2009年2月12日 Nature 457, 7231 エンハンサーは短いDNA領域で、調節性タンパク質がここに結合することで遺伝子の転写量が増大するが、その空間的および経時的な活性パターンの解明は、今もってヒトゲノムの機能注釈における難問の1つである。今回、ChIP-seq(クロマチン免疫沈降法と大量並列塩基配列決定法の組み合わせ)をin vivoで用いて、マウス胎仔組織におけるエンハンサー結合タンパク質p300のゲノム全域にわたる結合状況がマッピングされた。胎仔の前脳、中脳、および体肢組織には数千のP300結合部位があり、その一部を調べたところ、ほとんどが再現性のあるエンハンサー活性を伴うことが示唆された。この種のデータセットは、ヒトの生物学的特性や病変過程におけるエンハンサーの役割を研究するのに役立つだろう。 2009年2月12日号の Nature ハイライト 細胞:壁のない生活 遺伝:エンハンサーの地図を作る 化学:ホウ素の新しい形態 ナノテクノロジー:微細なプリント 遺伝:霊長類ゲノムにおける爆発的重複 医学:C型肝炎動物モデルへの手がかり 細胞:血液細胞系の発生 がん:前立腺がんのマーカーを発見 細胞:ヒトのリボスイッチが初めて見つかった? 目次へ戻る