Nature ハイライト 細胞:血液細胞系の発生 2009年2月12日 Nature 457, 7231 血液系が胚発生過程でどのように形成されるのかは、集中的に研究が行われているテーマの1つだが、その一因は、これが再生医療にとって重要となりそうな過程だからである。最終的には成体の骨髄に存在することになる造血幹細胞の形成について提唱されている主要な説は、2つある。その1つは、造血幹細胞と内皮細胞系は中胚葉からそれぞれ独立に生じるとするもの、もう1つは、造血細胞系と内皮細胞系はヘマンジオブラストと呼ばれる特殊な前駆細胞から生じるとするものである。今回3つの論文によって、この2つの説が統合され、2つの説は共に正しかったことがわかった。つまり、ヘマンジオブラストは、中間的な造血能性内皮細胞を経て造血細胞を作り出すのである。 2009年2月12日号の Nature ハイライト 細胞:壁のない生活 遺伝:エンハンサーの地図を作る 化学:ホウ素の新しい形態 ナノテクノロジー:微細なプリント 遺伝:霊長類ゲノムにおける爆発的重複 医学:C型肝炎動物モデルへの手がかり 細胞:血液細胞系の発生 がん:前立腺がんのマーカーを発見 細胞:ヒトのリボスイッチが初めて見つかった? 目次へ戻る