Nature ハイライト

植物科学:モルヒネを作らないケシ

Nature 431, 7007

ケシ(Papaver somniferum)は、アヘンやヘロインに加えてコデインやモルヒネ、またこれらから作られる鎮痛薬の原料となる。Brief CommunicationsでP J Larkinたちは、モルヒネもコデインも作らない自然に生じたケシ変異株の性質について報告している。この変異株では、本来ならモルヒネなどの化合物が作られるはずの生化学反応系が機能しないため、前駆体であるテバインやオリパビンが蓄積する。これらの物質からは非常用性の鎮痛薬を合成することができる。top1と呼ばれるこのケシ変異株の発見の最初の報告が既に、世界の合法アヘン薬の40%以上を生産しているタスマニアの合成麻酔薬産業界での技術再編を引き起こしつつある。

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