地球上の生物種は、「生物多様性ホットスポット」とよばれる、相対的に少数の地域に偏って集中していることがわかっている。それぞれの種の中でも同じように、遺伝的多様性は、特に遺伝的に多様な少数の小集団に集中している。この報告を行ったE M RauchとY Bar-Yamによると、小規模だが多様性に富む分集団の運命は、個体群全体の運命を左右するのだという。小さいが多様性に富む個体群は、比較的破壊されやすく、破壊されると種全体の多様性の実質部分が消え去ることになる。この研究成果が特に重要なのは、系図ネットワークの特性を理論的に調べて得られたものであるため普遍性があるからだ。これは現実から乖離した研究で得られた結果だが、生物保全策に直結してくる可能性を秘めている。