Nature ハイライト 地球:バム地震の後で 2009年3月5日 Nature 458, 7234 2003年にイランのバムに甚大な被害をもたらした地震は、この都市の直下にある地下断層の破壊により起きた。この地震によって深さ3〜7 kmで2 m以上ある大きなすべりが生じたが、地表でのすべりはずっと小さかった。Fieldingたちは、エンビサット衛星で得られた合成開口レーダー画像の干渉解析を用いて、その地域で地震後に断層帯がどのように応答したかを観測した。その結果から、断層の一部に沿った余効すべりと多孔質弾性的な反発を示唆する局所的な圧密だけでなく、断層帯の上部1 kmのところでは、地震時の膨張からの回復と圧密が起こっていることも明らかになった。このような変形は、断層帯全体にわたって広がっており、横ずれ断層の破壊でみられることのある、浅部のすべり欠損を説明できる可能性がある。 2009年3月5日号の Nature ハイライト 宇宙:連星ブラックホール見つかる 材料:遷移金属イオン間の電荷移動 地球:バム地震の後で 海洋:脂質の不足に代用品で対処 細胞:抗生物質の標的にならない? 免疫:リンパ球の活性化 遺伝:遺伝子融合と前立腺がん 構造生物学:タンパク質の構造をライブで見る 目次へ戻る