Nature ハイライト 細胞:抗生物質の標的にならない? 2009年3月5日 Nature 458, 7234 II型脂肪酸合成(FASII)経路は、抗菌剤の有望な標的になると考えられており、この経路を標的とする抗生物質プラテンシマイシンとプラテンシンは、多剤耐性グラム陽性細菌に対して有効だろうといわれている。しかし、新たな研究によって、この戦略の有用性に疑問が投げかけられた。ブドウ球菌、連鎖球菌、肺炎球菌、腸球菌をはじめとする一連のグラム陽性病原菌の臨床分離株は、実験用培地、もしくは感染動物体内で外部からの脂肪酸の供給があると、薬物によるFASII経路阻害を克服できることが示されたのである。重要なのは、ヒトの血清が極めて効率的な脂肪酸供給源となることだ。 2009年3月5日号の Nature ハイライト 宇宙:連星ブラックホール見つかる 材料:遷移金属イオン間の電荷移動 地球:バム地震の後で 海洋:脂質の不足に代用品で対処 細胞:抗生物質の標的にならない? 免疫:リンパ球の活性化 遺伝:遺伝子融合と前立腺がん 構造生物学:タンパク質の構造をライブで見る 目次へ戻る