Nature ハイライト

免疫:リンパ球の活性化

Nature 458, 7234

CBMタンパク質複合体は、骨格タンパク質であるCARMA1、アダプタータンパク質であるBCL10とパラカスパーゼという酵素のMALT1から構成され、リンパ球の活性化の際に、T細胞やB細胞の抗原受容体からのシグナルを、転写因子NF-κBへ伝達する重要な役割を担っている。この重要なタンパク質複合体がどのように調節されているのかははっきりしていなかったが、今回Bidèreたちが、CBM複合体はカゼインキナーゼ1α(CK1α)によって、互いに反対向きに働く二重の調節を受けていることを明らかにした。CK1αは、受容体により誘導されるNF-κBの活性やリンパ球の活性化をまず促進し、次いで終結させる。またCK1αは、リンパ腫細胞にみられる恒常的なNF-κBシグナル伝達にも必要とされることがわかった。この二重の「ゲーティング」機能は、CK1αが条件によっては重要ながん遺伝子として働きかねないことを示唆しており、これは新しいクラスのがん治療標的分子となるかもしれない。

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