Nature ハイライト 生理:食餌療法とがん 2009年4月9日 Nature 458, 7239 げっ歯類では食餌制限に抗がん作用があることがずっと以前から知られているが、一部の腫瘍がこの治療法に反応するかどうかを決める分子機序については、意外にもほとんど知られていない。N KalaanyとD Sabatiniは、ヒトのある種のがん細胞系をマウスで異種移植腫瘍として増殖させると、食餌制限による腫瘍増殖抑制効果に極めて高い感受性を示すが、ほかの系では抵抗性がみられることを報告している。腫瘍の感受性の違いの原因は、ホスファチジルイノシトール-3-キナーゼ(PI3K)/Aktシグナル伝達経路の活性化状態であることが、今回明らかになった。したがって、この経路の状態は、どの腫瘍が食餌制限を模倣した治療に反応するかを予測するのに使えるかもしれない。 2009年4月9日号の Nature ハイライト 遺伝:がんゲノミクスの時代 生理:食餌療法とがん 医学:ユビキチンを標的とする薬 宇宙:BLAST計画が解明する過去の宇宙 物理:スケールダウン 化学:未来の触媒の形 地球:大酸化事変の原因 生理:マウスの体重制御 細胞:ウイルスを用いないiPS細胞 目次へ戻る