Nature ハイライト 地球:大酸化事変の原因 2009年4月9日 Nature 458, 7239 約24億年前に起こった、地球上で酸素が大気中に蓄積し始めた時期にあたる大酸化事変(GOE)は、大気中のメタン濃度が低下したことが引き金になったと広く考えられている。メタンが消失し始めた原因については、まだよくわかっていない。27億年前に生成された堆積岩である縞状鉄鉱層でニッケルの鉄に対するモル比が低下していることが発見されたのに基づいて、Konhauserたちは、メタン消失を説明する新しい仮説を提案している。彼らは、ニッケル欠乏の原因は、その時点で上部マントル温度が低下し、ニッケルに富んだ超苦鉄質岩の噴出が減ったために海洋へのニッケル流出が減少したことだと考えている。ニッケルは、メタン細菌のもついくつかの酵素の重要な補因子であり、ニッケルの減少によって古代海洋でメタン生成生物の活動が抑制され、生物起源のメタン供給が途絶したのかもしれない。 2009年4月9日号の Nature ハイライト 遺伝:がんゲノミクスの時代 生理:食餌療法とがん 医学:ユビキチンを標的とする薬 宇宙:BLAST計画が解明する過去の宇宙 物理:スケールダウン 化学:未来の触媒の形 地球:大酸化事変の原因 生理:マウスの体重制御 細胞:ウイルスを用いないiPS細胞 目次へ戻る