Nature ハイライト 細胞:ウイルスを用いないiPS細胞 2009年4月9日 Nature 458, 7239 非生殖細胞系列の成体細胞が多能性をもつように、つまり、あらゆるタイプの細胞に分化可能な細胞になるように初期化できるという発見は、素晴らしい発展を予測させた。初期化細胞は、誘導多能性幹(iPS)細胞とよばれ、再生医療で大きな可能性をもつと考えられる。しかし、iPS細胞を作り出す現在の方法のほとんどが、ウイルスベクターを使う遺伝子送達を必要としており、これが誘導細胞で異常を引き起こしかねないと考えられている。今回、2つのグループが、ヒト細胞でウイルスベクターを用いずに多能性の誘導に成功した共同研究について報告している。安定したiPS細胞は、初期化因子を組み込んだ多シストロン性ベクターを作るのにウイルス由来の2Aペプチド配列を用いて、これをpiggyBacトランスポゾンベクターを使ってヒトおよびマウスの繊維芽細胞に送達することで作出された。2Aに連結された初期化因子は、樹立されたiPS細胞系では必要ないので、樹立後に取り除かれたのである。 2009年4月9日号の Nature ハイライト 遺伝:がんゲノミクスの時代 生理:食餌療法とがん 医学:ユビキチンを標的とする薬 宇宙:BLAST計画が解明する過去の宇宙 物理:スケールダウン 化学:未来の触媒の形 地球:大酸化事変の原因 生理:マウスの体重制御 細胞:ウイルスを用いないiPS細胞 目次へ戻る