Nature ハイライト 医学:ユビキチンを標的とする薬 2009年4月9日 Nature 458, 7239 ユビキチン-プロテアソーム系は細胞内タンパク質に分解のための標識を付けるが、これはがんに関連するものを含め、多くの細胞機能制御機構の一部となっている。プロテアソーム阻害薬は現在、抗腫瘍薬として登場しつつあり、最初に臨床応用されたボルテゾミブは、多発性骨髄腫や一部のリンパ腫の治療に用いられている。Soucyたちは、NEDD8活性化酵素(NAE)の低分子阻害薬で、現在臨床試験第1相が行われているMLN4924の開発について報告している。NAEは、キュリン-RING型のユビキチンリガーゼの活性を制御することにより、種々の細胞タンパク質の分解を調節する。MLN4924は、がん細胞の細胞死を誘導し、マウスのがんモデルで抗腫瘍活性を発揮することがわかっている。Nature 2009年3月26日号に掲載された、D HoellerとI DikicによるInsight特集総説「ユビキチン系を標的としたがん治療」(doi: 10.1038/nature07960)も参考として一読されたい。 2009年4月9日号の Nature ハイライト 遺伝:がんゲノミクスの時代 生理:食餌療法とがん 医学:ユビキチンを標的とする薬 宇宙:BLAST計画が解明する過去の宇宙 物理:スケールダウン 化学:未来の触媒の形 地球:大酸化事変の原因 生理:マウスの体重制御 細胞:ウイルスを用いないiPS細胞 目次へ戻る