Nature ハイライト

医学:ユビキチンを標的とする薬

Nature 458, 7239

ユビキチン-プロテアソーム系は細胞内タンパク質に分解のための標識を付けるが、これはがんに関連するものを含め、多くの細胞機能制御機構の一部となっている。プロテアソーム阻害薬は現在、抗腫瘍薬として登場しつつあり、最初に臨床応用されたボルテゾミブは、多発性骨髄腫や一部のリンパ腫の治療に用いられている。Soucyたちは、NEDD8活性化酵素(NAE)の低分子阻害薬で、現在臨床試験第1相が行われているMLN4924の開発について報告している。NAEは、キュリン-RING型のユビキチンリガーゼの活性を制御することにより、種々の細胞タンパク質の分解を調節する。MLN4924は、がん細胞の細胞死を誘導し、マウスのがんモデルで抗腫瘍活性を発揮することがわかっている。Nature 2009年3月26日号に掲載された、D HoellerとI DikicによるInsight特集総説「ユビキチン系を標的としたがん治療」(doi: 10.1038/nature07960)も参考として一読されたい。

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