Nature ハイライト

発生:Notch経路を個別に調べる

Nature 458, 7241

Notch経路は多細胞生物の大半に広く存在する細胞シグナル伝達系であり、胚で重要な制御因子として働き、成体でも多くの組織で機能している。今回、ショウジョウバエ(Drosophila)の発生で最も解明の進んでいる形態形成過程の1つである外感覚器官形成について調べるため、ショウジョウバエゲノム中のほぼすべての遺伝子についてRNA干渉(RNAi)配列を発現する遺伝子導入ショウジョウバエ系統ライブラリーを用いて、ゲノム規模での解析が行われた。RNAiスクリーニングを用いることで、Notchの相互作用にかかわると考えられる遺伝子を組織特異的に不活性化できる。こうして得られたデータから、タンパク質をコードするショウジョウバエ遺伝子のうち約20%について機能を推定でき、非対称細胞分裂にかかわる6個の新たな遺伝子と、Notchシグナル伝達を制御する23個の新規遺伝子が同定された(Article p.987)。別の論文では、Coumailleauたちが、ショウジョウバエの感覚器官前駆細胞の非対称分裂後で、Notchシグナルが伝達される際のエンドサイトーシスの役割について報告している(Letter p.1051)。

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