Nature ハイライト 細胞:siRNAを特定の標的へ送達する 2009年4月30日 Nature 458, 7242 siRNA(短鎖干渉RNA)を用いた遺伝子サイレンシングが治療に使える可能性は、理論的には非常に大きい。しかし実際には、実用化されるまでに克服しなければならない問題がたくさんある。その1つが、標的組織へのsiRNAの安全な送達である。今回報告された新しい送達法は、この目的に向けた重要な一歩となりそうだ。マクロファージで酵素MAP4k4の発現を抑制するように設計されたsiRNAを、マイクロメートルサイズのβ1,3-D-グルカン粒子に封入し、マウスに経口投与した。封入されたsiRNAは、炎症性疾患の一般的なモデルであるリポ多糖誘発性炎症を起こしたマウスの生存率を高め、全身性炎症を抑制した。この方法は、これまでに報告されている全身へのsiRNA送達形態に比べて、in vivoで有効性が最大250倍にもなる。 2009年4月30日号の Nature ハイライト 細胞:核外で働く腫瘍抑制因子p53 細胞:脂肪滴とオートファジー 宇宙:銀河面リッジの謎を解き明かす 工学:超高速度カメラ 材料:孔の大きいゼオライト 生態:住処が変われば 神経:線虫も社会の渦中にある 細胞:siRNAを特定の標的へ送達する 目次へ戻る