Nature ハイライト 工学:超高速度カメラ 2009年4月30日 Nature 458, 7242 超高速の実時間光学撮像は、生物学での画像化から衝撃波の研究まで多くの科学分野で使われている。しかし、非常に速い時間スケールで変化が起こる系では、CCD(電荷結合素子)カメラのような従来型の技術は妥協が必要となる。特殊な冷却を行うか、極めて明るい光を使わなければ、撮像速度か感度のいずれかが犠牲にならざるを得ない。これは、センサーアレイからのデータ読み出しに時間がかかり、また高いフレームレート(画像表示速度)では数個の光子しか集められないことがその理由である。今回、UCLAの研究チームが、このような限界を打破する撮像法を開発した。この方法では、従来型CCDの場合より少なくとも1,000倍速いフレームレートが得られ、シャッター速度が440ピコ秒という、世界で最も速く連続的作動するカメラができる。この技術、すなわち連続時間符号化振幅顕微鏡法(serial time-encoded amplified microscopy;STEAM)では、二次元画像を連続的な時間ドメインのデータストリームへ写し、同時に光ドメインで画像を増幅する。それから単一ピクセルの光検出器により画像全体をとらえるのである。 2009年4月30日号の Nature ハイライト 細胞:核外で働く腫瘍抑制因子p53 細胞:脂肪滴とオートファジー 宇宙:銀河面リッジの謎を解き明かす 工学:超高速度カメラ 材料:孔の大きいゼオライト 生態:住処が変われば 神経:線虫も社会の渦中にある 細胞:siRNAを特定の標的へ送達する 目次へ戻る