Nature ハイライト 宇宙:銀河面リッジの謎を解き明かす 2009年4月30日 Nature 458, 7242 見かけ上薄く広がった銀河面リッジからのX線放射は、地球から見ると天の川銀河円盤とほとんど一致していて、25年前に初めて観測されて以来、X線天文学における謎とされてきた。これを、実際に希薄な熱放射や、宇宙線と星間物質との相互作用の産物として説明しようとする考えはうまくいかない。その一因は、銀河系円盤の重力の井戸が、そうしたプラズマを閉じ込めるには浅すぎるからだ。そして、高温プラズマが多数の暗いX線源に束縛されているとする、これらに代わる説明のほうが支持を集めつつある。今回、NASAのチャンドラX線宇宙望遠鏡を使った観測で、80%の以上の「希薄な」X線放射を、個々のX線源に分解することに成功した。これらのX線源は、おそらく降着を起こしている白色矮星や、コロナ活動が活発な星だと考えられる。今回の成果で、銀河面リッジからのX線放射にまつわる謎が解明されたことに加え、これまで見えていなかった星の集団が、将来の観測の枠組みに取り入れられることになった。 2009年4月30日号の Nature ハイライト 細胞:核外で働く腫瘍抑制因子p53 細胞:脂肪滴とオートファジー 宇宙:銀河面リッジの謎を解き明かす 工学:超高速度カメラ 材料:孔の大きいゼオライト 生態:住処が変われば 神経:線虫も社会の渦中にある 細胞:siRNAを特定の標的へ送達する 目次へ戻る