Nature ハイライト 細胞:核外で働く腫瘍抑制因子p53 2009年4月30日 Nature 458, 7242 腫瘍抑制因子p53は、ヒトのあらゆるがんの約半数で変異により不活性化されており、それ以外のがんの多くでも、p53経路が何らかの形で阻害されている。p53がよく研究されていることは当然だが、それは主として転写因子、遺伝子調節因子としてである。今回D GreenとG Kroemerは、p53が細胞質で果たす役割という、p53研究の新しい分野について概説している。p53は、細胞質ではアポトーシスを誘導し、オートファジーを阻害する。このような核外での作用は最近まで知られていなかったが、p53の腫瘍抑制因子としての有効性を増すのに役立っており、p53系を調節する新しい標的になる可能性がある。 2009年4月30日号の Nature ハイライト 細胞:核外で働く腫瘍抑制因子p53 細胞:脂肪滴とオートファジー 宇宙:銀河面リッジの謎を解き明かす 工学:超高速度カメラ 材料:孔の大きいゼオライト 生態:住処が変われば 神経:線虫も社会の渦中にある 細胞:siRNAを特定の標的へ送達する 目次へ戻る