Nature ハイライト

光学:強力な光子

Nature 459, 7246

光子は運動量をもつために力学的な力を発揮できるという事実は、学術的におもしろい現象というだけでなく、そのような力はさまざまな用途に使われている。「光ピンセット」は、そのよく知られた例である。今回Eichenfieldたちは、光エネルギーと力学エネルギーが微小体積に同時に局在化するため、単一光子であっても大きな力を発揮できる簡単なフォトニック構造体の系を、シリコンチップ上に形成した。これは、形状がジッパーに似ているので、ジッパー共振器とよばれている。形成された構造体の機械的剛性は、本来の機械的なバネの何倍も大きい光バネ効果によって支配されるため、興味深い機械的モード混合と極めて高い運動感度が得られる。こうした極端なオプトメカニカル領域は、基礎物理学の試験台となるばかりでなく、さまざまな精密測定や光通信技術に利用できると期待されている。

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