Nature ハイライト 宇宙:火星の水は冷えても凍らない 2009年5月21日 Nature 459, 7245 火星地形の特徴の多くは液体の水によって作られたようにみえるという観測結果は、初期火星についての気候モデルから得られる、火星表面の全球平均気温が0 °C以上になることはめったになかったという結果と、うまく折り合いがつけられない。Fairénたちは、この矛盾を解決できそうな説を提案している。彼らは、火星探査機の着陸地点から得られたデータに表れているとおりに、玄武岩の風化作用で生じた化学組成を設定して、火星での流体の凍結や蒸発過程をモデル化し、風化作用によって溶質を含むようになった流体は、0 °Cを相当下回る温度でもかなりの割合が液体状態のままであることを見いだした。このことは、我々がみている火星表面の地形が、塩分を含む液体の水の流れによって削り出されたことを示唆している。 2009年5月21日号の Nature ハイライト 植物:ターゲットは植物遺伝子 宇宙:赤色巨星の脈を探る 宇宙:火星の水は冷えても凍らない ナノテクノロジー:複雑になったナノ材料 地球:「爆撃」に耐えた冥王代地球上の生命 生化学:隣近所とのあつれき 植物:多年生植物の開花の調節 生化学:Na+, K+-ATPアーゼの構造 目次へ戻る