Nature ハイライト

地球:「爆撃」に耐えた冥王代地球上の生命

Nature 459, 7245

41億年前から38億年前にわたる期間は、地球の環境条件はかなり極端なものであったろうと予想されている。月の地殻の試料、隕石やほかの太陽系物質から得られるデータはすべて、この期間が、地球やほかの内惑星がすさまじい衝突を被った、後期重爆撃期として知られる時期であったことを示している。初期地球の生息環境が繰り返し破壊されたことはほとんど確実であり、生命は生き残れなかっただろうと考えられている。だが実際は、この爆撃が年代の若い地球に及ぼした熱的影響はよくわかっておらず、この分野ではさまざまな推測が行われている。O AbramovとS Mojzsisは、後期重爆撃期に地球のリソスフェアに衝突がもたらした熱的影響を調べるために構築した計算機モデルから得られた結果について報告している。地球の生命居住可能領域から生命体が完全になくなったとする説得力のあるシナリオは見つからなかった。そして、リボソームRNAの祖先から得られた、地球の生命が好熱性細菌あるいは超好熱性細菌から生じたことを示す証拠は、今回のモデルが示唆する広範囲にわたる熱水活動と一致する、と彼らは結論している。

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