Nature ハイライト ナノテクノロジー:複雑になったナノ材料 2009年5月21日 Nature 459, 7245 ナノテクノロジーの重要な目標は、プログラム可能な自己集合によって複雑な三次元ナノ構造体を形成することである。構成要素としてDNAを用いることで、二次元デザイナー構造体や特定の三次元構造体を作製できる段階にまで合成技術は進展してきた。Douglasたちは、DNA折り紙技術を改良して、どのような形であれ、作りたい三次元物体のほとんどすべてを、さまざまなDNAらせんの位置を巧妙に制御しながら、10〜100ナノメートルのスケールで作製できるようにしたことを報告している。この合成法では、プリーツ構造をとるストランドの表面にDNAらせんが並べられ、ハニカム状の三次元構造体に組み立てられる。さまざまなストランドはリン酸基を介して結合している。この方法では、複雑な物体を作製できるが、組み立てに時間がかかる。しかし、ナノメートルスケールの形状をもつカスタムデバイスを組み立てる方法もあり、これは、四角ナットや細長い穴のあいた十字架、ワイヤーフレームでできた二十面体などのさまざまな形の物体の組み立てによって実証されている。 2009年5月21日号の Nature ハイライト 植物:ターゲットは植物遺伝子 宇宙:赤色巨星の脈を探る 宇宙:火星の水は冷えても凍らない ナノテクノロジー:複雑になったナノ材料 地球:「爆撃」に耐えた冥王代地球上の生命 生化学:隣近所とのあつれき 植物:多年生植物の開花の調節 生化学:Na+, K+-ATPアーゼの構造 目次へ戻る