Nature ハイライト

生化学:Na+, K+-ATPアーゼの構造

Nature 459, 7245

Na+, K+-ATPアーゼは、ATPによって駆動されるイオンポンプで、動物細胞の細胞膜を挟んでナトリウムおよびカリウムイオンの濃度勾配を作り出す。ナトリウムイオンが細胞から排出される一方で、カリウムイオンは細胞に取り込まれ、神経細胞での活動電位の発生など、多くの重要な過程で使われる濃度勾配が作られる。今回、サメ直腸腺由来で、ヒトのものとの相同性が非常に高いNa+, K+-ATPアーゼの結晶構造が、2.4 Å分解能で決定された。この構造は、タンパク質の作用機構の多くを詳細にわたって解明するのに役立つ。それに加えて、強心配糖体はこのナトリウム-カリウムポンプの阻害剤なので、心臓病の治療法の解明にもかかわってくる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度