Nature ハイライト 生化学:Na+, K+-ATPアーゼの構造 2009年5月21日 Nature 459, 7245 Na+, K+-ATPアーゼは、ATPによって駆動されるイオンポンプで、動物細胞の細胞膜を挟んでナトリウムおよびカリウムイオンの濃度勾配を作り出す。ナトリウムイオンが細胞から排出される一方で、カリウムイオンは細胞に取り込まれ、神経細胞での活動電位の発生など、多くの重要な過程で使われる濃度勾配が作られる。今回、サメ直腸腺由来で、ヒトのものとの相同性が非常に高いNa+, K+-ATPアーゼの結晶構造が、2.4 Å分解能で決定された。この構造は、タンパク質の作用機構の多くを詳細にわたって解明するのに役立つ。それに加えて、強心配糖体はこのナトリウム-カリウムポンプの阻害剤なので、心臓病の治療法の解明にもかかわってくる。 2009年5月21日号の Nature ハイライト 植物:ターゲットは植物遺伝子 宇宙:赤色巨星の脈を探る 宇宙:火星の水は冷えても凍らない ナノテクノロジー:複雑になったナノ材料 地球:「爆撃」に耐えた冥王代地球上の生命 生化学:隣近所とのあつれき 植物:多年生植物の開花の調節 生化学:Na+, K+-ATPアーゼの構造 目次へ戻る