Nature ハイライト 宇宙:訳ありの超新星 2009年6月4日 Nature 459, 7247 初期質量が太陽の25〜30倍より大きい星は、ウォルフ・ライエ星としてその一生を終え、強い恒星風によって急速に質量を失い水素が乏しくなることが、理論から示唆されている。その後に起こる超新星爆発では必ず、運動エネルギーが低く可視領域で暗い放出物質が生成され、この物質には質量分率にして少量の放射性ニッケルが含まれると考えられている。現在まで、この説に合う重力崩壊型超新星は見つかっていなかった。しかし、2008年11月7日に見つかったSN 2008haは、これにぴったりのようだ。詳細な測光研究と分光研究から、SN 2008haが、知られている中で最も暗く、光度の低い水素欠乏型の超新星であることが示された。この発見から、ほかの同じような現象がこれまでにも観測されていた可能性が出てきた。その候補の1つがSN 2002cxだが、これらは「特殊な熱核超新星」に分類されていた。 2009年6月4日号の Nature ハイライト 遺伝:カンジダ属真菌のゲノム比較解析 脳:感覚情報の伝達 宇宙:訳ありの超新星 地球:雲に覆われたタイタン 量子情報科学:もつれた振動 ナノテクノロジー:ブリンクしないナノ結晶 地球:南極の氷河形成 発生:心筋細胞を作り出す 医学:B細胞リンパ腫とA20のつながり 目次へ戻る