Nature ハイライト 発生:心筋細胞を作り出す 2009年6月4日 Nature 459, 7247 心臓は損傷後の再生能がほとんどないため、新しい心筋細胞の産生に必要な因子の解明には強い関心がもたれている。竹内純とB Bruneauは、マウス中胚葉から心筋細胞への分化転換に必要な最小条件を調べ、心臓にある2つの転写因子と、BAFクロマチンリモデリング複合体の心臓特異的サブユニットだけで、マウス中胚葉から拍動する心筋細胞への直接分化が起こることを見いだした。さらにもう1つの転写因子を加えると、伸縮する心筋細胞への分化が促進され、非心筋性中胚葉遺伝子の発現が抑制された。心臓の細胞分化に対する必要条件が明らかになったことは、治療のための心筋細胞再生という長期目標達成を助けるものとなろう。 2009年6月4日号の Nature ハイライト 遺伝:カンジダ属真菌のゲノム比較解析 脳:感覚情報の伝達 宇宙:訳ありの超新星 地球:雲に覆われたタイタン 量子情報科学:もつれた振動 ナノテクノロジー:ブリンクしないナノ結晶 地球:南極の氷河形成 発生:心筋細胞を作り出す 医学:B細胞リンパ腫とA20のつながり 目次へ戻る