Nature ハイライト 量子情報科学:もつれた振動 2009年6月4日 Nature 459, 7247 重ね合わせと量子もつれは量子力学の特徴であり、通常、電子スピンや光子の偏光などの特性に対して存在することが証明されている。今回、大きなスケールではばねや振り子としておなじみの、力学的振動子の間の量子もつれが実証され、このような難解な現象が、我々の日常でみられる身近な存在に一歩近づいたといえそうだ。Jostたちは、離れた力学的振動子の間の量子もつれを実証した。この系は、異なる位置に保たれている2対の原子イオンの振動状態からなる。このような実験から、より大きなスケールの力学的振動子のもつれ状態を生成し、トラップイオンを使った量子情報処理をスケールアップする道が開かれるかもしれない。 2009年6月4日号の Nature ハイライト 遺伝:カンジダ属真菌のゲノム比較解析 脳:感覚情報の伝達 宇宙:訳ありの超新星 地球:雲に覆われたタイタン 量子情報科学:もつれた振動 ナノテクノロジー:ブリンクしないナノ結晶 地球:南極の氷河形成 発生:心筋細胞を作り出す 医学:B細胞リンパ腫とA20のつながり 目次へ戻る