Nature ハイライト 地球:南極の氷河形成 2009年6月4日 Nature 459, 7247 約3,400万年前の急速な全球気候変動のときに、南極氷床が初めて形成された際の仕組みについては、少なからぬ推測がなされてきた。いくつかの証拠は、南極山岳地帯の中央部が初期の氷床が形成された場所であることを示しているが、氷河の形成開始場所である可能性が最も高い地域、つまり現在の氷床の中心にある、氷河に覆われたガンブルツェフ山脈に沿った地域については、現在の氷床地形についての知識が極めて乏しい。2回のシーズンに実施された氷貫通レーダーによる調査に基づいて、ガンブルツェフ山脈の地形の詳細な測量と分析が今回行われた。データから、最初に河川により刻まれ、氷の動きによりさらに深く彫られた山岳地形が明らかになった。3,000メートルの厚さの氷の下の地形は、典型的な高山峡谷地形がもっと極端になったものにと似ており、夏季の平均気温が約3 °Cだった3,400万年以上前に発達したようである。 2009年6月4日号の Nature ハイライト 遺伝:カンジダ属真菌のゲノム比較解析 脳:感覚情報の伝達 宇宙:訳ありの超新星 地球:雲に覆われたタイタン 量子情報科学:もつれた振動 ナノテクノロジー:ブリンクしないナノ結晶 地球:南極の氷河形成 発生:心筋細胞を作り出す 医学:B細胞リンパ腫とA20のつながり 目次へ戻る