Nature ハイライト 地球:雲に覆われたタイタン 2009年6月4日 Nature 459, 7247 土星の最大の月であるタイタンは、炭化水素が地球の水と同じ役割を果たす複雑な気候システムをもっている。タイタンの雲は、メタンとエタンの凝結により形成される。雲の活動は現在、主に南(夏季)半球で起きているが、大循環モデルによると、この分布は15年スケールで季節と共に変化するはずである。カッシーニ探査機に搭載された赤外マッピング分光計により雲の活動を詳細に監視する機会が得られ、そのデータを用いて大循環モデルを改善し、予測精度を向上させることが可能となった。2004年7月〜2007年12月に行われた、タイタンへの毎月の接近通過39回分で得られた数百万のスペクトルがまとめて解析され、タイタン全球を覆う雲の分布はモデルとほぼ一致していることがわかり、雲の活動は主に大循環に支配されていることが確認できた。 2009年6月4日号の Nature ハイライト 遺伝:カンジダ属真菌のゲノム比較解析 脳:感覚情報の伝達 宇宙:訳ありの超新星 地球:雲に覆われたタイタン 量子情報科学:もつれた振動 ナノテクノロジー:ブリンクしないナノ結晶 地球:南極の氷河形成 発生:心筋細胞を作り出す 医学:B細胞リンパ腫とA20のつながり 目次へ戻る