Nature ハイライト 宇宙:惑星が地球に衝突する可能性 2009年6月11日 Nature 459, 7248 太陽系内の惑星軌道が将来どのように進化するのかを数値計算によりモデル化するには、大規模なスケールの計算機能力を必要とする。それは主として、軌道運動するさまざまな質量の天体の相互依存関係によってもたらされる、カオス的要素のためである。J LaskarとM Gastineauは、JADEテラフロップ・スーパーコンピュータを使って、50億年にわたる太陽系の進化に対して2,501通りのシミュレーション解を得た。そして解全体の1%で、水星の離心率が金星または太陽と衝突するまでに十分大きくなることを見いだした。意外なことに、高い離心率を与える解の1つでは、その後に水星の離心率が減少するのに伴って巨大惑星からの角運動量輸送が起き、これが約33.4億年後にすべての地球型惑星の軌道を不安定にして、水星、火星、金星のどれかが地球と衝突する可能性があることが示された。 2009年6月11日号の Nature ハイライト 免疫:ヤツメウナギにもある2つの免疫系 細胞:サーチュインと長寿の関係 宇宙:新たな光で見る地球 宇宙:惑星が地球に衝突する可能性 気候:気候-炭素応答の新しい尺度 地球:台風で起こるゆっくり地震 脳:ドーパミンニューロンの複雑さ 細胞:ヒストンと白血病の関係 細胞:分裂のとき 目次へ戻る