太陽系外惑星の大気についてわかっていることはほんの少ししかない。こうした知見の一部は、これらの惑星が親星の前面を通過する際に、親星の放射する光が惑星大気を通過することで生じたスペクトルを観測してかき集めたものだ。惑星発見の技術は向上しているので、地球にそっくりな惑星が見つかるのも近いらしい。だとしたら、何を探せばよいのだろうか。比較の出発点としてよさそうなのは、地球そのものの透過スペクトルだろう。今回、これを調べる1つの方法が報告されている。これは、月食の際に月で反射される太陽光の性質を調べるもので、惑星が親星の前面を通過するのを観測する際の幾何学的関係に似た設定である。この間接的方法から、可視光と近赤外領域での地球の透過スペクトルが得られる。生物が生息している大気の特徴で反射スペクトルでは弱いものの一部は、透過スペクトルではずっと強く表れ、モデリングによる予想よりもむしろ強かった(Letter p.814)。そして、Alan BossがThe Crowded Universe: The Search for Living Planetsの中で予測していることが正しければ、生命をもつ地球型惑星発見のニュースを、我々はかなり早く聞くことになるはずだ(Books & Arts p.777)。