Nature ハイライト 細胞:サーチュインと長寿の関係 2009年6月11日 Nature 459, 7248 サーチュイン(sirtuin)は、進化的に保存されたNAD+依存性デアセチラーゼまたはADPリボシルトランスフェラーゼであり、多くの生物において寿命を延ばす働きをもつが、その作用機序はほとんどわかっていない。例えば、酵母のサーチュインSir2はヒストンH4の16番目のリシン残基を脱アセチル化することが知られているが、このことがSir2の抗老化作用と関係しているのかどうかは不明であった。Dangたちは、複製を繰り返して老化した酵母細胞の特定のサブテロメア領域では、老化に伴ってSir2タンパク質が減少し、それに付随してH4リシン16のアセチル化の増加とヒストン減少が起こり、転写のサイレンシングが損なわれることを報告している。このヒストンアセチル化経路は、酵母の既存の老化モデルと異なるものであり、テロメアクロマチンを無傷状態で維持することで複製による老化を制御するという、サーチュインの進化的に保存された機能を示しているのかもしれない。 2009年6月11日号の Nature ハイライト 免疫:ヤツメウナギにもある2つの免疫系 細胞:サーチュインと長寿の関係 宇宙:新たな光で見る地球 宇宙:惑星が地球に衝突する可能性 気候:気候-炭素応答の新しい尺度 地球:台風で起こるゆっくり地震 脳:ドーパミンニューロンの複雑さ 細胞:ヒストンと白血病の関係 細胞:分裂のとき 目次へ戻る