Nature ハイライト 霊長類学:霊長類考古学という新分野 2009年7月16日 Nature 460, 7253 考古学では、過去の人間活動の証拠を求めて発掘を行い、道具や土器、日々の暮らしから出たゴミなどの遺物をもとに、その当時の生活のようすを復元している。ヒト以外の種が注目されることはまれで、食べられた場合にゴミの中に見つかるか、家畜としてか、もしくは年代を示す証拠として初期の考古学で用いられた程度であった。今週号の総説は、霊長類学と考古学の間にみられる重なり合いの部分について要約し、「霊長類考古学」という新しい分野の確立まで踏み込んでいる。霊長類が過去から現在までに道具の素材としたものの記録を調べることにより、いくつかの重要な問題に新たな視点から取り組むことができる。霊長類は、道具を使用し、生活の場を作り出し、社会集団を構築する。こうした活動のすべては、考古学的な記録に痕跡を残し、それによって人類の認知能力と道具使用の進化の背景を示す証拠が得られる。 2009年7月16日号の Nature ハイライト 霊長類学:霊長類考古学という新分野 宇宙:小惑星帯に見られる多様性 海洋:北極海に氷が現れた時期 気候:氷期の気候の調整機構 生態:生物多様性への道 遺伝:共通するマラリア耐性 生理:ラパマイシンで長生き? 発生:アザラシ肢症を考え直す 目次へ戻る