Nature ハイライト 気候:氷期の気候の調整機構 2009年7月16日 Nature 460, 7253 南極氷床を掘削して得られた氷床コアによって、気温と大気中二酸化炭素濃度の間の関係と氷河の状態が、過去80万年間一定であったことが示唆されているにもかかわらず、北半球の氷床面積の変化などのいくつかの証拠は、氷河期の厳しさが変動したことを示している。南西インド洋の海洋堆積物コアから新たに得られた、海面温度と海洋生産性の80万年間にわたる記録から、最も寒冷だった氷河期に、南アフリカ沿岸沖の亜熱帯前線が北方に移動し、大西洋の南北方向の鉛直循環へ熱と塩類を運ぶアガラス海流の強さが変わったことが明らかになった。この研究は、亜熱帯前線の北方移動の程度によって、大気中二酸化炭素濃度と全球気候の結合が部分的に弱まりうることを示唆している。 2009年7月16日号の Nature ハイライト 霊長類学:霊長類考古学という新分野 宇宙:小惑星帯に見られる多様性 海洋:北極海に氷が現れた時期 気候:氷期の気候の調整機構 生態:生物多様性への道 遺伝:共通するマラリア耐性 生理:ラパマイシンで長生き? 発生:アザラシ肢症を考え直す 目次へ戻る