Nature ハイライト 生態:生物多様性への道 2009年7月16日 Nature 460, 7253 生物多様性の「中立」理論は、2001年にS Hubbellが最初に進展させたもので、それぞれの個体や種が、種間相互作用や種の来歴とは独立にみな同じ様式でふるまう、という単純な仮定を適用することによって、自然界で観察される生態学的生物多様性のパターンの多くをうまく説明している。今回、この中立理論に追加要素として有性生殖、突然変異、分散を織り込んだ新しい改良版理論が提案された。新モデルはさまざまなレベルで現実をシミュレートしており、パナマの低木類から米国カンザス州の哺乳類化石に至るまで、実際のデータセットとよく一致する。このモデルの結果もまた、生物多様性は特定の物理的障壁なしに生じうることを示している。これは、交通量の多い道路で、車が走っているだけで何も理由が見当たらないのに、交通渋滞が生じる現象とよく似ている。 2009年7月16日号の Nature ハイライト 霊長類学:霊長類考古学という新分野 宇宙:小惑星帯に見られる多様性 海洋:北極海に氷が現れた時期 気候:氷期の気候の調整機構 生態:生物多様性への道 遺伝:共通するマラリア耐性 生理:ラパマイシンで長生き? 発生:アザラシ肢症を考え直す 目次へ戻る