Nature ハイライト 遺伝:共通するマラリア耐性 2009年7月16日 Nature 460, 7253 ヒトでは、FY遺伝子(別名DARC)の変異が、三日熱マラリア原虫(Plasmodium vivax)感染の感受性や耐性の違いをもたらすことがある。FYは赤血球表面に存在するケモカイン受容体をコードしており、この受容体はマラリア原虫の侵入箇所であることが知られている。今回、アンボセリ国立公園(ケニア)のキイロヒヒ集団についての研究で、ヒヒのFY遺伝子の変異が、マラリアに似た寄生虫Hepatocystisに対する感受性の重要な決定因子であることが明らかにされた。ヒヒのFY遺伝子の機能性変異体はヒトでみられる変異体と相同ではないが、ヒヒとヒトのFYシス調節性遺伝子領域の変異のパターンは、この2つの種の間に機構的および選択的な類似性が存在する可能性を示している。 2009年7月16日号の Nature ハイライト 霊長類学:霊長類考古学という新分野 宇宙:小惑星帯に見られる多様性 海洋:北極海に氷が現れた時期 気候:氷期の気候の調整機構 生態:生物多様性への道 遺伝:共通するマラリア耐性 生理:ラパマイシンで長生き? 発生:アザラシ肢症を考え直す 目次へ戻る