Nature ハイライト 宇宙:親星に近づき過ぎたホットジュピター 2009年8月27日 Nature 460, 7259 太陽系外惑星のホットジュピターは、親星からいくぶん離れた場所で形成され、その後に内側へ移動してきたと考えられている。このような惑星は、惑星系の進化に関する新たな見方を与えてくれるが、親星の最も近傍を巡り、最も極端なホットジュピターであるWASP-18bが今回発見されたことで、寿命の終わりにあるらしい惑星を垣間見る機会が得られた。この惑星は、木星の10倍という大質量をもち、親星の近くを0.94日という短い軌道周期で巡り、知られている恒星-惑星系の中で潮汐作用が最も強い。WASP-18は親星の寿命が来るまでに破壊されてしまうと思われ、親星に向かってらせん状に落下していくという、めったにみられない一時的状態にある惑星を我々は見ていると考えられる。あるいは、この系における潮汐散逸は、我々の太陽系よりも相当に弱いのかもしれない。 2009年8月27日号の Nature ハイライト 発生:γ-グロビン発現への切り替え 宇宙:親星に近づき過ぎたホットジュピター 物理:人工グラフェンのもつスピン 光学:表面プラズモンを操作する 気候:インド太平洋暖水域の長期的な温度変化 発生:個性的な脳を作り上げる 細胞:p53はがんと幹細胞性を関連付ける 目次へ戻る